2010年10月18日月曜日

ゼロ・エミッションという考え方

 ゼロ・エミッションという言葉を最近聞きます。
 Wikipediaによれば、こういうことだそうです。
 ゼロ・エミッション
 さて、この言葉、私はどこで聞くか(目にするか)というと、ここです。
 日産ゼロ・エミッションサイト|日産リーフ|コンセプト

 これからの世の中、環境を意識しないといけないと言いますが、それだけではありません。ガソリン車に比べて、電気自動車というのはエネルギー・セキュリティの上でも重要な位置を占めています。
 ガソリンは、中東などの特定の地域に依存しており、政情の不安定な地域性もあり、一時期は原油価格の高騰があり、価格不安も起きました。電気自動車はどうかといえば、原油・天然ガス・石炭・原子力・水力そして最近では風力や太陽光なども発電に利用されかなりリスク分散が進んでいるといえます。もちろん原油価格が安定していればそちらの方がコストが安いということもあるかもしれません。しかしながら、自動車のような長期間保有する資産の場合は、リスク回避は不可欠です。
 電気自動車のメリットは、それだけではありません。
 まず、排気ガスの問題。電気自動車は、排気ガスがありません。これはまず何より、健康への影響が少ないということですね。
 さらに、騒音が少ない。静か過ぎて、音を出す装置をつけるくらい静かです。これもまた、騒々しい都会で生活している人たちにはとても良い環境を提供してくれることでしょう。今後、トラックやダンプカーなどが電気自動車になれば、ますます社会が変わること間違いありません。
 自動車だけが電気になるかといえば、そうではなく、バイクも電気バイクになるでしょう。50ccの原動機付き自転車は、早々に電気化されるのではないでしょうか。もちろんすでに、自転車は電動自転車になってきています。そういう小型の近距離ニーズのビークルは電動になるのも早いでしょう。

 しかしながら、それよりもっとゼロ・エミッションなのは、自転車ですね。都市を設計する際に重要なのは、いかに自転車を人と一緒に移動させるかということかもしれません。それによって、電化された公共交通機関と自転車により、格段と行動範囲が広がったライフスタイルが描けるかもしれません。
 さらには、ベロタクシーのような交通機関が増えていけば、お年寄りにも過ごしやすい都市が形成できるかもしれません。なんといっても、自動車は、他人との接点がない閉鎖された空間ですが、公共交通機関は、開かれた空間、ベロタクシーなんて、もっと人との接点がある乗り物です。

 さて、そうは言っても、今の都市生活は、ガソリンによって成り立っています。たとえば、ごみの処理。ゴミ収集車が、朝早くから都会のごみを集めてくれるから、都市生活は成り立っているわけです。ガソリンがなかったら、あっという間に都市生活は崩壊します。食料の供給も滞って、ごみの収集も滞る。
 そうならないように、リスクヘッジで輸送手段の電化・電気トラックなどの開発が必要なわけです。もちろん、下水道にならって、地価にごみ輸送のためのトンネルを用意して、電気で運ぶということも考えられますね。電化することで、排気ガスもなくなり、リスクヘッジもできるわけです。

 もうひとつ、電気自動車が増えると変わるのは電気の使い方です。太陽光や風力といういつ発電できるかわからないあてにならない発電装置を、電気自動車というバッテリーで補完するということです。もちろん、それによる電力系統の不安定要因を取り除く必要があるわけですが、課題が明確になっていれば、解決は簡単。日本のエンジニアは優秀ですから、それほど問題にはならないでしょう。

 こうやって見ていくと、バッテリーの発展が、電化社会を支えている構図も見えてきます。そして、それはエネルギーセキュリティ上のリスクヘッジでもあるわけですが、一方、バッテリーがリスクになるということも意味しています。たとえば、レアメタル。

 しかし、向かうべき世界は、この方向であることは間違いない。そして、そこには社会のあり方も変える何かが待っています。今と同じライフスタイルで、ゼロ・エミッションではなく、近所付き合いも含めた社会生活のあり方が問われているのです。自然環境だけでなく、人間環境も改善されなければ、幸せな人生をすごせる社会はできません。自分だけが良ければそれでよいという社会は、すでに終わりました。どこを目指すべきかは、私たちに任されています。今こそ、行動すべきときでしょう。

 レスター・ブラウン EarthPolicy Institute(アース・ポリシー研究所)所長 WorldWatch-Japan.org
 [介護予防・メタボリックシンドローム予防]つくばウエルネスリサーチ