2009年6月12日金曜日

日本政府は、CO2に対してどういう政策を持っているのか

 日本政府は、一貫した政策を持たないとしか思えない。
 CO2削減について、2005年15%削減。まあ、いいだろう。しかし、その根拠は何?どういう風に自分たちの立ち位置を定めていくの?という点がまったく見えない。

 日本は、世界のリーダーとして、CO2削減に邁進するのか、それとも、国内の産業保護をきちんとやって、他国との調整の上適正な範囲で目標を定めるのか。そういった点がはっきりしない。

 そもそも、なぜ日本はCO2削減に向かうのか。
 「世界的な流れ」であるとかいう言葉は聞きたくない。CO2削減ではなく、「エネルギーセキュリティを確保する」ための結果がそうなるという結論なら納得できる。

 そもそも、各国がCO2削減と言っているが、本当にやる気のあるのはどこの国なのだろうか?あまりよく見えない。ステークホルダーが多すぎて、それぞれの思惑が違っているので、一位に目標が定まらないのだ。

 本気で、地球温暖化を憂える人々がいる。そして、自然エネルギーを商売にしようと考えている商売人がいる。さらに、現在の景気低迷を抜け出す起爆剤に、CO2削減や自然エネルギーを使おうとする政治家もいる。一般庶民は、自分が使う電気料金やガス代が下がればうれしい。環境保護のNGOも意見を持っている。そういう状況で、統一的な目標を示すということはかなりの困難であるが、なぜかみんな、CO2削減とか自然エネルギーを使おうなどというと、「そうだ!そうだ!」と言うのである。
 いわゆる、「CO2は悪」「自然エネルギーは善」という構図だ。

 こんな単純な構図に乗っていいのか、と疑問に思うことがある。だいたいこういう構図の裏では誰かが巨万の富を築いているものである。それが誰かはわからないがそういう人たちがいるのだろう。

 しかして、このムーブメントを否定していいかというと、そうではない。やはり、CO2を削減し、自然エネルギーを増やしていくことが必要だという長期的な展望は間違ってはいないと思う。問題はやり方だ。

 最近、日本政府は迷走している。麻生総理になってから、その迷走はさらに拍車がかかっている。大局観がないからそうなるのだろう。
 その一例が、高速道路の1000円定額である。
 高速道路を1000円定額にするということは、「電車ではなく自動車を使え!」と国民に言っているわけである。それは、とりもなおさずCO2を増加させようね、ということだ。その成果が、JRの利用者が減ったという結果で表されている。高速道路は利用者が増加している。これは、昨年の原油高で売り上げが低迷した石油業界から、何らかの働きかけがあったのではと邪推してしまう。毎日1000円なら、渋滞も分散するだろうし、そうすればもっと効率的だったかもしれないが、土日祝祭日だけが割引では、渋滞が集中して無駄なCO2がじゃんじゃか発生したわけだ。政治家もお役人も発想が貧困である。一国をリードしていく資格のない小人が間違っておこなった愚策である。

 こういういきあたりばったりの政策をおこなっている政府を、われわれは世界に誇ることはできない。ましてや、その政府が表明したCO2削減目標など、あくまでも目標にすぎない。削減できる業界はどんどんやるべきだし、そうでないと思う会社は、そうやるしかない。それは経営判断。しかし、その結果は、おのずと出てくる。人の見る目は厳しい。取り組みの甘い会社は、ブランドイメージを低下させ、株価低迷などの御利益があるだろう。

 さて、では、どういう方向にいけばいいのかと言えば、理想は高く、現実は厳しくなのだろう。すなわち、目標は高くかかげるべきであるが、現実はそれぞれの業界のトップランナーであることが重要で結果の数値(削減率という変な目標値)に惑わされることなくやることである。世界のトップランナーである企業がそれ以上の一律の目標を達成するのは困難だ。すでに日本はCO2削減では世界のトップランナーである。それをわかってやるべきである。

 調整型の政策も時には有効であるが、CO2削減といったグローバルな目標設定では、もっと全体を俯瞰したダイナミックな目標設定が必要だと思われる。それができない現政権は、各界に対して、影響力を行使することのできない矮小な政権だと言わざる終えない。

 願わくば、各界に影響力を及ぼせるような、人間的魅力にあふれた政治家が出現して欲しい物である。今の政治家は小粒になりすぎた。